PAGE TOP

2015年07月23日

オススメです☆「学校へ行けない僕と9人の先生」作者棚園正一先生の自分史コミック



「学校へ行けない僕と9人の先生」



学校へ行けない僕と9人の先生 (アクションコミックス) -
学校へ行けない僕と9人の先生 (アクションコミックス) -

今日はこのコミックのお話をしたいと思います。

ネットで連載されていた作品でしたが、出会ったのは書店のコミック平積みコーナーでした。
息子と一緒に行った書店。
お目当ての購入する本は決まっています。
それでも本好きの親子、いろいろなコーナーをゆっくりと見て歩きます。

ふと目に入ったこのコミック「学校へ行けない僕と9人の先生」。
表紙も白ベースで、ランドセルを背負った男の子が悲しげな顔をしているだけ…。
ただ、帯にはマンガ好きなら知らぬ人はいないでしょというくらい有名な方の言葉があの慣れ親しんだ自画像と共にありました。

最初に目が入ったのは正直そちらのほう。
息子も大好きで初めて読んだコミックもこの方の代表作。
そう、ドラゴンボールの鳥山明先生のことば。

帯の言葉を引用させていただきます。
長い付き合いになるが、彼の過去を尋ねたことはなかった。
不登校児だとは知っていたが、今回その頃を描いた漫画を読ませてもらい、ちょっと驚いてしまった。思った以上に漫画を描くことが彼を救っていたようだ。
アクションコミックス「学校へ行けない僕と9人の先生」初版の帯より


コミックスですから、シュリンク(立ち読みできないようにかかっているビニール)がかかっています。当然中身は読めません。

くるりと裏を向けて裏表紙を読んでみる。
先ほどの鳥山先生の帯の言葉通り、作者さんご本人が不登校だったもよう。

わたしの中で「読みたい」という衝動が起きると同時に、息子にとってはどうなんだろう?とはたと思案。
わたしが読みたいのだから自分のために買ってしまえばいいのだけど、コミックスなるものたいていのものは親子で共有しているから、親が無理やり読ませたがってるとか思われたら嫌だな〜などと、思考があちこちさまよっているときに、息子がそばに来て一言。

「あ、その本、ちょっと気になる」

おお!息子も気になっていたのか。これで問題解決。

「じゃあ買おう!」

ということになり、目的の他のコミックスと一緒にレジへ。


人との出会いもそうですが、書物やこういった作品との出会いも、何か偶然以上のものを感じるときがあります。今回のこのコミックは、わたしたち親子に大きな良き刺激を与えてくれました。


不登校当事者である息子の感想



*息子本人に了解済みの感想

我が家は涙腺がゆるい家系なのか、グスグスやりながら読んでいました。

このコミックに描かれているお話、特に最初のほうの事件などは、息子が実際に体験したものとかなりかぶっています。
学校が怖くて仕方なくなったときの気持ち。

作者が描いている黒い影などが自分も同じだったこと。

そして何故「みんなと同じように学校で楽しめないのか」と悩んでいたのも一緒と。

すごく気持ちがシンクロした。

と言っていました。

このコミックは、義務教育期間で終っているのですが、ちょうど現在の息子と同じ状態でシンクロしてしまうのもとてもよく理解できます。

好きなこと得意なことまで一緒なのですから。

最後には明るい希望をこのコミックからわけてもらっていたようです。

読んでよかった〜〜〜と言っていました。

普段息子が好んで読んでいるような、漫画ではなかったのですが、息子の中の何かをしっかりと満たしてくれた作品だったようです。

作者さんに感謝です。

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 発達障害へ
にほんブログ村

この先ネタばれも含みます。

母親であるわたしからの感想



わたし自身も不登校経験者なので、ふつうの子ども時代を送ってきたお母さん方とは少し違った感想かもしれません。

それでもやはり主人公である正知少年よりも、そのお母さんを頭が追っていることに気がつきました。

主人公が学校が怖くなるくだりなどは息子が不登校になった事件とあまりにも重なる部分があって、忘れかけていた(閉じ込めていた)怒りで胸が苦しくなりました。

そして、両親がそろって児童精神科に主人公を連れて行くシーンでは、自分の幼い心が嫉妬で爆発しそうでした。(わたしの子どものころは、子どもの心が壊れかけていようがおかまいなしでしたから)
つまり、主人公の両親はとても自分たちの子どもに対してやれることを一生懸命やってきたんだなあと、時代背景を考えてもすごいことだと感心したのです。

結果として、主人公の心がすぐに回復に向かったわけではありませんが、この両親の存在は大きかったんじゃないかと思いました。
なかなかまねできません。

毎朝、子どもを起こす。
学校が怖くてたまらないこのために一緒に登校する。
それも一つの動作をするのに何十分も何時間もかかる。
同じことを私も体験してきましたのでこのお母さんの忍耐力のすごさがわかります。

子どもの気持ちは先生しだい。
そしてその先生は運しだい。

相性の合う担任になると、子どもは少しだけ元気になれます。このコミックの主人公もそうでした。
このままずっと、同じ先生だったらいいのに…。
わたしもそう思ったことが何度もあります。作画の中には書かれていないのですが、きっとお母さんもそう思ったんじゃないかと想像できました。

ちょっと、いえ、ものすごく、残念だったのは、小学校高学年の多感な時期になって、じぶんが「ふつう」になれないことにどうしてもイライラしてしまう主人公に、お父さんが口に出してしまった、

「育て方を間違えたかな」

という一言。

学校へ行けない子ども。学校に行けないのではなくて、学校へ行けない子ども。

このあれた時期を乗り越えるために、きっとこのご両親はすごく努力なさったと思います。イライラが止まらない息子にクールダウンさせるために、自ら家を出て主人公の祖母に面倒を見てもらう工夫をしたり、主人公の言葉でそれも描かれています。
かなり苦しかったとは思います。
でも、お父さんの一言は大きかったのではないでしょうか。
きっと、お父さんご本人もこのときのことを忘れられずにいるかもしれません。ほんとにふと放った一言だったと思うからです。

お話は淡々と時間軸にそって進んでいきますので、主人公がそのときどういう気持ちだったか、は描かれていません。

転機になったのは、自分の好きなことを再確認したこと。
憧れの鳥山明先生の原画展を見に行ったことでした。

やはり「好き」はつよい味方です。

その間にご両親も努力なさって、いろいろな情報に藁をもすがる思いで行動していたと思われるくだりがあります。

一昔前に流行った(今でも大手を振って子どもを利用しているような業者はありますけど)子どもには元気で明るく対応する、不登校引きこもりは親のしつけのせい。といった感じのところと関ります。
それは主人公にとってプラスとなったかどうか、読み進めるだけではわかりません、が、その関ったところに、きっと今までさんざ言われ続けてきたでしょうが、お母さんは「育て方のせい」と一括されます。それを主人公が知ってしまいます。
これは主人公にとって自分の行動でお母さんが叱られるという自己肯定感を下げる出来事だったと思います。

その後、最後の先生と出会って、人生に希望を持つことができ、31才という現在に繋がっていくのですが、独り立ちをした息子を見守る両親のお顔がとてもいい。最高にいい。
もちろん、主人公のお顔も輝いている。


当事者本というのはそこそこ出ていますが、コミックでしかも台詞で表現するのではなく、当事者の気持ちをビジュアルで表現した作品と言うのはこのコミックが初めてではないでしょうか?
(ほかにもあったらごめんなさい、もしよかったら教えていただけると嬉しいです)

勝手にアレコレ想像して書いてしまいましたが、このコミックには、不登校の子どもの気持ちを親が理解する手がかりが描かれています。

この本の中には「発達障害」と言う言葉は一言も出てきません。

主人公が定型発達の子どもであろうとなかろうと、子どものころに受けた心の傷は、想像よりもずっとずっと深いんだ、大きいんだ。と言うことが理解できればよいのだと思います。

何よりも、子どもをじっと見守る親、大人の存在。(片親であっても、血が繋がっていなくても)

そして、わたしももうしつこいくらい書き続けていますが、子どもにとっての好きなこと、得意なことと言うのは、磨かれていない原石と同じ。
それを大切にしてあげれば、どんどん成長していくのです。


それを、再認識させてくれた作品でした。


私も鼻水ずるずるさせながら目をウルウルさせながら、最後はほぼ号泣しながら、読み終えました。



不登校の子を持つ親御さんにぜひおすすめです。

そしてある程度年齢の行った当事者さん(小学校の高学年から中学生くらいの)にもぜひ手にとって読んでもらいたいです。
光が見えてくると思います。


最後までお付き合いくださってありがとうございます。
拍手する
posted by はるぼん at 18:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 不登校に関して・・・ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/422876376
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。